胆石症は、胆のうという臓器の中に石ができてしまう病気です。
血液検査でコレステロール値が高く、医師に「胆石症に気を付けてください」と言われたことはありませんか?
実は胆石症の多くは、コレステロールの過剰摂取が原因で起こっているのです。
胆石症にならないためには、コレステロールの量を意識した食事が不可欠。
そしてこれは、脂質異常症やメタボリックシンドロームの対策にも効果的です。
ここでは、胆石症について書いていきます。
胆石症は、胆のうで起こる病気
胆のうとは
胆石症は、胆のうという臓器で起こる病気です。
胆のうは肝臓の下にあるなすび型の臓器で、肝臓で作られた胆汁という液を蓄える働きをしています。
また胆のうは肝臓や十二指腸に胆管という管でつながっていて、胆汁を肝臓から受け取り、十二指腸へと送り出しています。
この胆汁には、コレステロールなどが含まれていて、腸の中で脂肪を消化しやすく変化させる働きがあります。
胆石症とは
胆石症とは、胆のうや胆管の中に石のようなもの(胆石)ができる病気です。
胆石症には、
- 胆のう結石症
- 総胆管結石症
- 肝内結石症
の3つの種類があります。
この中で最も多いのが、コレステロールが原因の胆のう結石症です。
胆石は、コレステロールの増えすぎによって作られる
胆石症の中で最も多いのは、胆のう結石症です。
これは、胆汁に含まれるコレステロールが原因起こります。
肝臓でコレステロールがたくさん合成されたり、食事でたくさんのコレステロールを摂取したりすると、胆汁に含まれるコレステロールが増えます。
そして胆汁に含まれるコレステロールが増えすぎると、コレステロールが固まって石になってしまうのです。
胆石症にはどんな症状があるの?
胆石ができてしまっても、それが胆のうの中にある間は痛みを感じません。
ただ先に書いた通り、胆のうは胆管を通して胆汁を十二指腸へと送り出しています。
そしてその胆汁の流れに乗って、胆石も胆管に移動します。
この時、胆のうと胆管をつなぐ部分に胆石が引っ掛かると、痛みが出てしまいます。
これを疝痛と言い、食後30分から2時間ほどの間に起こります。
他には吐き気や嘔吐、肩こりなども見られます。
胆石症の2つの治療法
上でもふれたように、胆石症は胆石ができてしまっても痛みなどの症状が現れない場合があります。
このときは、無理に治療をしないのがほとんどです。
しかし痛みが出た場合は、すぐに治療を開始する必要があります。
その場合は
- 薬物療法
- 手術療法
の2つの治療法があります。
薬物療法
薬物療法では、まず鎮痛薬を使って痛みを和らげます。
そして、胆石を溶かす薬を使って治します。
手術療法
手術には2通りの方法があります。
1つは、腹腔鏡という小さく細いカメラを使った手術です。
これを使うと、お腹を大きく切らずに胆のうの中を見ることができます。
そして、胆のう内にある胆石を取り出すことができます。
もう1つは、超音波を使って体の外から胆石を破壊します。
この場合は全くお腹を切る必要がありません。
いずれにせよ、お腹に傷をほとんど残すことなく手術をすることができます。
胆石症の予防には、コレステロールを意識した食事が大切
胆石症の予防には、食事の改善が必要です。
特に大切なのは、コレステロールの摂取を控えることです。
なぜなら、胆石はコレステロールを原料とすることが多いからです。
また一方で摂取したコレステロールの吸収を抑えたり、コレステロールを素早く排泄したりする成分を含む食事を摂るようにしましょう。
まとめると、
- コレステロールの多い食事(卵やバター、揚げ物)を控える
- コレステロールの吸収を抑える、排泄を促す食品(豆類や野菜)を積極的に摂る
という2つのことが重要です。
血液検査ではどのような項目に気を付ければ良いの?
胆石があるかどうかは、CT検査などの画像検査などでわかります。
また、血液検査でもある程度胆石ができている可能性を知ることができます。
血液検査では、
- ALP(アルカリ性ホスタファーゼ)
- T-Bll(総ビリルビン)、D-Bll(直接ビリルビン)
という項目の数値が高いと、胆石ができている可能性があります。
これらの数値が高かったら、すぐに食生活の改善をしましょう。
またこれらの数値が高くなくても、コレステロール値が高い場合はこれから胆石ができてしまう可能性があります。
そのため、この機会にコレステロールの量を考えた食事を心がけましょう。
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