中性脂肪、コレステロールを下げる効果のある食品群の一つに野菜があげられます。
野菜は、血中コレステロールの改善に効果的なポリフェノールや食物繊維が豊富です。
さらに、強い抗酸化作用を持つビタミン類は、摂り方を工夫することでその吸収率をアップする事ができます。
ここでは、中性脂肪・コレステロールを下げる効果が期待できる野菜の効果的な摂り方やおすすめのレシピをご紹介します。
《著者紹介》
Tsukiko
食品メーカーで食卓分析や広告宣伝などのマーケティングやフードスタイリングの経験を積んだのち、管理栄養士として独立。「食を楽しむ」をキーワードに、栄養指導やダイエットカウンセリングのほか、栄養・健康関連のコラム執筆やレシピ考案・フードスタイリング、フードコンサルティングなどの活動をしている。
油を使った調理
緑黄色野菜には、強い抗酸化作用を持つβ-カロテン(ビタミンA)やビタミンEといったビタミン類が豊富に含まれています。
これらのビタミンは、血液中の脂質の酸化を防いで、動脈硬化のリスクを軽減する効果があるといわれています。
脂溶性のビタミンのβ-カロテン(ビタミンA)・ビタミンEは、油を使って調理すると吸収率が高まります。
中でも、LDLコレステロールを下げる働きがあるといわれるオリーブオイルや、血液サラサラ効果が期待できるアマニ油やシソ油を利用するのが効果的です。
サラダにドレッシングも理にかなった食べ方ですね。
生食・短時間調理
抗酸化作用のある水溶性のビタミンCは、熱や光にも弱く、調理時の洗浄や加熱によりどんどん損失してしまう性質を持っています。
そのため、ビタミンCを多く含む野菜は、サラダなどの生食や、短時間調理がおすすめです。
野菜ジュース
野菜に含まれる栄養素をまるごと摂取できるうえ、量をしっかりとることができるので、おすすめの摂り方です。
栄養素の中には酸素に触れて効果がどんどん失われてしまうものもありますので、作ったときにすぐ飲むようにしましょう。
スープ
煮汁にも溶けだした栄養素をあますことなく摂取するには、スープなども効率よい摂り方です。
温野菜
野菜や果物・種実類の皮や種に多く含まれ、色や苦みやあくなどを構成する成分であるポリフェノールは、血中のコレステロール値や中性脂肪を調整する効果があるといわれており、トマトやブロッコリーといった緑黄色野菜や、さつまいもやれんこん、ごぼうなどの根菜類に含まれます。
ポリフェノールは熱に強いため、温野菜にしてかさを減らせば、量をたくさん摂ることができます。
お酢を使った料理
お酢の主成分である酢酸には、血中のLDLコレステロールと中性脂肪を低下させる働きがあるといわれています。
酢の物やあえ物、ドレッシングにも酢を多めに入れるなど、お酢を使った野菜料理がおすすめです。
おすすめレシピ:根菜ときのこの和風マリネ
ごぼうやれんこんなどの根菜には、ポリフェノールがたっぷり。
酢を使ってマリネにすることで、血中コレステロール値を正常にする働きが期待できるおすすめメニューです。
緑黄色野菜のプチトマトを散らして彩りもよいひと品です。
材料(2人分)
- れんこん・・・50g
- ごぼう・・・50g
- しめじ・・・30g
- えのきだけ・・・30g
- にんじん・・・・20g
- プチトマト・・・20g
- マリネ液
- 酢・・・大さじ2
- 塩・こしょう・・・少々
- オリーブオイル ・・・小さじ1.5
- 砂糖・・・小さじ1
- しょうゆ・・・小さじ1
手順
- ごぼう・れんこん・にんじんは薄いいちょう切りにします。ごぼう・れんこんは水にさらします。
- しめじ・えのきだけは石づきを取り、食べやすい大きさに分けておきます。
- 1、2をさっとゆで、ざるにあけます。
- マリネ液の調味料を合わせて、3を熱いうちにつけこみます。
- 粗熱をとって冷蔵庫で冷やし、ヘタをとって1/4にカットしたプチトマトと合わせて盛りつけます。
(参考:厚生労働省「e-ヘルスネット」、厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2015年版)策定検討会」 報告書、日本動脈硬化学会HP)