世界中のニュースで恐れられる疾患というと、エイズ、鳥インフルエンザ、近年では、ジカ熱に代表されるような「感染性疾患」でしょうか。

一方、大きなニュースとはなりにくいものの、実は怖い「非感染疾患」がありますが、「メタボ・肥満」は、その一つで、現在、世界的に深刻な状況となっています。

まずは、基本的なデータからみてみましょう。

国際糖尿病連盟による、メタボ・肥満基準値

腹囲は民族により、若干変わるようですが、それ以外の基準値は、どの国もあまり変わらないようです。

民族別腹囲

日本 男性≥90cm 女性≥80cm
ヨーロッパ系 男性≥94cm  女性≥80cm
南アジア(中国マレー系、アジアインド系) 男性 ≥90cm 女性≥80cm
中国 男性≥90cm 女性≥80cm
中南米 *南アジア基準が薦められる(詳細データが未収集のため)
サブサハラ *ヨーロッパ基準が薦められる(詳細データが未収集のため)
東地中海・中東(アラブ)*ヨーロッパ基準が薦められる(詳細データが未収集のため)

また、以下二つの該当

中性脂肪≥150mg/dL(1.7mmol/L)、又は特定の脂肪異常の治療がある

HDLコレステロール値が男性≦40mg/dL(1.03mmol/L)、 女性≦50mg/dL(1.29mmol/L)  又は、 特定の脂肪異常の治療がある。

最高血圧≥130mmHg、最低血圧が≥85mmHg、又は、過去に高血圧症の診断を受けた。

血糖値≥100mg/dL

世界のメタボ・肥満ランキング 国の人口に対する割合

  1. パラオ共和国 47.10%(’94米より独立 )
  2. ナウル共和国45.10% (英連邦加盟国 )
  3. マーシャル諸島共和国 42.30%(米自由連合盟約国)
  4. サモア独立国 41.60% (英連邦加盟国
  5. トンガ王国 41.10% (英連邦加盟国 )
  6. カタール国 41.00%
  7. キリバス共和国 40.10% (英連邦加盟国 )
  8. ツバル王国 39.60%( 英連邦加盟国 )
  9. クウェート国 38.30%
  10. バハマ(国)諸島 36.60% (英連邦加盟国、英連邦王国)

日本は、3.3%で185位となっています。

メタボ・肥満の上位は英連邦加盟国、中東、英連邦国?

上位の10ヵ国中、実に8つの国が、英連邦加盟国や近年アメリカから独立した、南洋諸島などの島国です。

残り2つは、カタールとクウェートといった、中東の国です。
以下も、同じく太平洋諸島や中東の国々が続きます。

アメリカ合衆国は12位、英連邦国のニュージーランドが24位、カナダが25位、オーストラリアが26位、大英帝国(イギリス)が27位で29.8%となっています。

メタボ・肥満の上位国の全てに共通している事がありました!

文化的諸事情はありますが

元来、小さな島国は、資源や耕作地が少ないものですし、伝統的に太っているのが優位な文化があったり、遺伝子的体質説もあります。

中東諸国に関しても、伝統的に太っているのが優とされたり、歴史的に女性が外で働く事や、運動、活動が制限されていたりする面もあります。

また、出されたものは食べないと礼に欠ける習慣の国もあります。

共通しているのは欧米式食文化の急激な流入です!

それは、「急激な食文化の変化」です。
ファストフードや炭酸飲料、加工食品に代表されるような、欧米食の急激な流入です。

深刻な状況は、どうもアメリカ合衆国だけではないようです。

この事に関しては次回、更にスポットライトをあててみたいと思います。